レボリューショナリーロードを映画のみならず原作小説も見た

毒親チャンネルで話題になっていたので。夫婦関係行き詰まり映画お勧め2本目、レボリューショナリーロード。
タイタニックの2人を夫婦にしてアメリカンビューティのサムメンデス監督が夫婦関係行き詰まりを描く鬱映画。
とても陰鬱なのに本当に心が慰められる。後半のケイトウィンスレットの「can’t leave, can’t stay」ってセリフの行き詰まり感︎
何だろう、自分の夫婦関係も行き詰まってて、八方塞がり感を感じるんだけど、ああ、みんな行き詰まってるんだな、映画になるほど行き詰まってるんだな、私は一人じゃない、と思えるから?
映画撮っても解決策がない、現実の私も解決してない、そう、そう、そんな簡単に解決しないよな、と思えるから?
ハッピーエンドの映画が好きとか言ってたけど、夫婦関係については安直にハッピーエンドにされちゃ困る、置いてきぼりを食らうから、的な。

1957年アメリカの設定。
合計特殊出生率は4に届こうとしている。
今の日本は1.43で、私の周りでは子供2人の世帯が多く感じるが、3人となる数えるほど。

隣のシェップ&ミリー家には男子が4人。
妊娠出産と子供4人のお世話でミリーはてんてこ舞いだろう。
シェップが全く育児に参加していないことは、彼が声をかけても子供が全く反応しないことからわかる。
妊娠してから出産して、また妊娠が可能になるまで2年はかかるから8年は妊娠出産に費やしている。子供たちはとても年齢が近そうに見えたので、双子がいるのかもしれない。
が、この合計特殊出生率からすると、そんな短縮はありそうにない。
そして1番下の子も5歳には見えるので8年+5年で少なくとも13年。
この2人に夫婦生活があるという証左でもあるね。

ミリーは夫が少し気にしただけでドレスを着替えている。
洗濯、掃除、食事作り、片付いてインテリアが整った家。ミシン。
ホントたいへん。

子供や子供を世話するシーンがほとんど出てこない。これは夫視点の映画なんだろう。

昔々農家に嫁いだ女性が暗いうちから畑に出て、朝食、片付け、洗濯、子供の世話、昼ごはん、片付け、掃除、と働きづめに働いて、
私の人生こうして終わっていくのかなあと涙が出たという話聞いたことある。

ミリー&シェップ夫妻もエイプリル&フランク夫妻もベビーシッターを頼んで夜に出かけることはできている。ただし、それは隣人も全く同じことをしている。ずっと一緒にいるって息が詰まりそう。

ミリーは子供を4人産んで毎日繰り返す家事育児の中で、やっぱり「私の人生こうして終わっていくのかなあ」と悲しく思わなかったはずがない。
夫の自分への関心薄れているし。専業主婦は他に評価機会がないというのに。

それでも隣人もみな同じだから、これが幸せだから、とすぐ忘れて(女はすぐ忘れる、と自分で言っている。これ実は女はではなくて、自分はそのようにしている、という意味であると思う。そして本当に忘れる人間はそのようには言わない。)日々を営んでいたんだと思う。
だけど、同じ生活をしているはずの、エイプリル&フランク夫妻がパリに移住すると聞いたとき、価値観が大きく揺らぎ、「私の人生はこれでいいの?」という普段は忘れているはずの問いが大きく立ちはだかって来たんだろう。
だからこそ同じ生活をしていて、ぬるま湯にいて、絶望的な空虚さを抱えているはずのエイプリルの顔が輝いて、2人が仲良くしていることが見逃せなかった。
何か秘訣があるなら教えてほしい!
(私もまったく同意見!)
それがパリ移住という荒唐無稽な策で夫婦の一致を見たといううちには全然関係ない解決策で絶望!ってのがミリーが泣いた理由かな。あとは夫が慰めてくれたのが嬉しくて。私はこれでいいのよね、と。

1957年のアメリカという設定、60年代に大きく女子就業率は高くなるのだが、まだこの時点では25%に過ぎない。
それも、子供のいる既婚女性の就業は絶望的。
1960年に世界で初めてアメリカでピルが認可される。ピル以後、女子の専門コース選択率は上昇し、賃金も上昇の一途をたどっているらしい。
参考:経済の大改革を生んだ小さなピル
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-40426676

でもこの映画は1957年。妊娠や出産が何かの懲罰みたいだというセリフも出てくる。子どもは天使みたいにかわいいけど、避妊もできず、堕胎もできないこの時間軸においては諸手を上げて大喜びできないかもしれない。妊娠は一人じゃできないのに、そのツケを払うのは女性だけ。
1999年にしかピルが認可されず、未だにピルの使用率が低い日本に暮らす私には、この問題は地続きに感じられる。

そして、この夫婦喧嘩の描き方が最高にいい。
1.冒頭のドライブ中~中断の口論シーン
夫暴論を吐く、妻もブチ切れて言い返す、すると妻を殴ろうとする(!経験ある)
英語をよく聞くと、最初はフランクがいうことに対してyesやAII rightしか言ってない。日本語訳ではもうやめて、やめてったら、と意訳されているけど。
そして最終的にはCould you stop talking〜?と直接的に黙ってくれない?と言うしか無くなる。
そして夫はそれに激高して車を止めわざわざ傷を抉るようなことを言う、、、。

そもそも終演後の楽屋でのすれ違いもとてもいい感じに不和が描かれている。
妻が泣き顔だよ見れば分かるだろ、という状態なのに夫は大成功とは言えなかったな、という追い討ちをかけるようなことを言う。
傷心の妻はそうねと墨を飲むような思いでそれに同意せざるを得ない。
真実を大事にしてるからね、この夫婦は。だから白々しいウソはつけないんだよ。不動産屋のおばちゃんみたいにな。(「最高だったわ~!才能あふれる奥様ね!」)
でもさ、それなら舞台の上で君だけが生きている人間だったよ、って車の中で言ったセリフを言ってやれよ。
このセリフだけにはエイプリル、顔が緩んでThank youって言ってるのよ。その後すぐやめてくれの下りなんだけど。

泣き顔みて慰めようと思ったんだろうが。この顔を見て気がついてないの?みたいな。
でもこの段階ではエイプリル、一応夫の下手な気遣いを受け取って、お願いがあるの、と慰め方ガイドラインを出してやります。
(自分に女優は無理そうって落ち込んでいるから)打ち上げ飲みに行きたくない、行けないって伝えてくれ、と。
そしたらこの夫、断れないよ!悪いと思わない?と言い出す始末。
私、いま、あなたに断って、お願いって言ったよね?と。しかもお前の下手な慰めに我慢して慰め方ガイドライン出したよね?と。そこにノーとか言ってんじゃねえよ、じゃあ自分で言うわ、とここで声がめっちゃ低くなってる。
で、夫は分かった分かった、俺が言うよ、と言い出す。
だから最初から断ってくれって言ってるじゃん、しかもお願いって言ってるじゃんとしか思えないよね、もはや。
こんな状態では慰まらない。

2.海水浴でのちょいモメシーン
夫婦でちゃんと話ができなくて、海水浴に行った隣人たちに「仕事はどう?」みたいな軽く水を向けられたところに夫はちょうどいいやとまだ妻に言っていない大事な話を始めてしまう。妻にも聞かせるつもりで。
当然「なんでそんな大事なことを黙っていたんだ!」と火種になる…

そして…
泳ぎに行ってくる、と言って逃げてしまう夫。
3.逃げる夫
上で言い逃げした夫、堕胎をめぐっての口論でも普通とか一般とか振りかざして妻を責める。妻は真実を話せと迫っているのに。普通とか一般に隠れる。挙句、トイレに行くと言って逃げる。
最後の口論でもね、妻に触って叫ばれて、で、彼が先に2階に上がっているのよね。これも逃げてる。

殆ど夫婦の喧嘩のシーンで、それも全然話尽くせてないし、うまくいってないのよね。
で、子供が全然出てこないんだけど、やはり子供がいる前では話せないというのを言い訳にお互い話さないし、
2人になっても揉める事が大体分かってるのにわざわざ話したくない。
なので穏やかに話が切り出せず、どちらかが感情的にキレ、その反応としてしか話ができない、という状態なのではないか。身につまされる。

私も夫に穏やかに伝えなくてはならないことがたくさんある。
食器を適当な場所に置かないでそれぞれ決まった位置があるからそこにおいてほしいとか、
子供のおもちゃを勝手に片付けないで、子供と話して決めた場所に片付けてほしいとか、そもそも一緒に片付けてほしいとか、
結構細かい要求している自覚はあるから、それができないならやらないでほしいとか。
そういうリクエストだけではなく、
私の要望を聞いてお風呂掃除の最後に栓をしてくれるようになってすごく助かってるとかそういうことも。

エイプリルはさ、最後の喧嘩の時に、もう堕胎できる時期じゃないのに堕してほしかったよ!とか言われて、そんなこと感情がいかに昂ぶったとて言われたら、もうそれで産むとかできないよね。
真実は辛い。それもっと早く言えよと。

最後の穏やかな朝食、フランクは子供がいない朝食は静かだなとか言うんだけど、それにエイプリルは今朝は朝食が必要でしょう、大事な日だから、って言うのよね。
それって、いつもいつもエイプリルは朝食を用意してたのに、子供と一緒の朝食はうるさそうな顔をして食べずに出て行っていたんだろうなと思うの。
どうしてこの2人が静かな朝を迎えられているかっていうと、ミリーが子供を預かってくれているから。
ジョンがディナーに来るから、元々1泊でお願いしていたか、あとでエイプリルが電話で話すシーンがあるのだけど、
体調が優れないから1泊にお願いできないか?って頼んだんだと思うの。
それをあの壮絶な喧嘩の後にやったんだよ。

あの喧嘩の後、エイプリルはいよいよ初めて自分から、フランクから離れて考えたいって言う。
それまでは夫と話そう話そうとしていたエイプリルがいよいよ対話をやめてる。
(いやまあ冒頭で既に話すなって言ってるんだけど、それは落ち込んでいて辛いから今はそっとしておいてくれって言ってるのに、俺の魔法の一言で元気になれよって強要してくるからなんだけど。最大の夢を諦めなくてはならない時にそんな一言で元気になれる訳ないだろって思う。)

家を見つめるエイプリル、ここは私の監獄だ、という気分だよね。たとえ市民劇団レベルだとしても女優にもなれなくて(この市民劇団、シェップも出演してて、エイプリルの他は全員男性。美人のエイプリルに頼まれて興味もないのに断れなかった奴らという感じ。その点でもエイプリルには女優としての力量が無いんだぜという描きぶりがすごい。)、パリにも行けなくて、ここでは働くこともできなくて、もう12週過ぎちゃっているから堕胎できないのに、本当は堕してほしかったとか言われてるから子供を産むこともできないし、この先どうしたらいいんだよ、どうする本当に?っていう行きづまり感。

その前の日、シェップにパリを諦め切れないとか、パリじゃなくても、ここじゃないどこかならいいんだ、でもcan’t leave, can’t
stayってきっちり自分の気持ちを語ってる。
これを夫に言えないんだよなあ。
どうでもいいと思っているシェップにしか吐露できない。
それを聞いてもシェップは全然意味わかってない。

ここまで追い詰められて、もう産むこともできないと思ったから、一か八か、堕胎の勝負に出たんだよね。
知ってたと思う、危険性。この時代にそれで命を落とす女性たくさんいたということなので。
勝算低いけど、もうそれしか残されてなかった。そして運悪く、出血止まらずお亡くなりに。。

シェップはコーヒーを取りに行ってコーヒーメーカーの前で泣いている。
シェップはエイプリルが好きだったから、そしてセックスしたから、堕胎しようとしたのが自分のタネだと思ったかな。
日数が全然合わないけどね!
でも多分自分のせいで死んだくらいのことは思っていそう。
キモい。
まず美人だからって4人も子供を作った男が手近なところで隣戸の奥さんに好きだとか言うのがキモい。
奥さんのことに無関心で鈍感な郊外族の夫(フランクがそうはならないぞと言っているその人そのものだよ、シェップは)、だから家族ぐるみの付き合いで、購入したからこれからもずっと住む隣戸の奥さんなんかに横恋慕できるんだよ。
万が一露見したら面倒くさくてしょうがないだろ。子供も含めて全員不幸になるだろ。
もうめっちゃウンザリ。
男どもは浮気できればそれでいいのかよ。後先も考えられない。

じゃあどうすればいいの?については、2通りの方法があると思う。
1つ目はエイプリルが1度言っていた、何も話さず、日々を過ごすこと。そしてポイントになるのが、日々の幸せを感じる感性を磨くこと。
幸せや不幸は出来事それ自体ではなく、感じ方が決めるもの、という調査結果がある。
そして長年の訓練で感受性は良い方へも悪い方へも鋭くなる。
文句ばかり言っていれば、大半の人がいいなと思う出来事にもケチをつけられるようになる。
良いところ探しをしていれば、大半の人が不幸に感じる出来事にも幸せを探せるようになる。
1日の終わりに良かった探しを3つするといいらしいよ。それを最低3週間続ける。

もう一つの方法は、私自身がこちらを採用しているし、エイプリルもこっち派だと思うんだけど、どうなりたいか自分と対話して決めること。
この時自分だけだったり一回だけだったりすると荒唐無稽で高すぎる期待値になったりするからうまくいかないことも多い。
なのでPDCAを回して何度も変えていく。
その点、エイプリルは女優になるため何度もオーディションを受けたんだろうし、市民劇団を立ち上げ主役をやったりしている。
だんだん女優はダメそう、ってことがわかって悩むんだけど。でもパリで働くことに希望を見出すし。
期待値調整は人にも自分にも大事なんだよね。
自分がどうなったら満足か分かってないと、満足を感じにくいから。1つ目の技能を磨いてどんな時も満足を感じられればそれはそれで幸せなんだろうけど、私は私で達成したいことなどがあるわけです、自分の人生で。。
そのためにはPDCAなんすよ。
今はここ、ではこのような状態にはなれるか?こうしたらどうか?
では今度は今の状態はこうだ、ならこれが次の打ち手かな。これもできる?
みたいな。
これで実際に状況を変えていけるし、滅多にないけど期待値を超える出来事が起こったときにはスゴイ、めっちゃうれしい。その嬉しさを感じるためには、やっぱり最初に期待値設定をすることが必要なの。それを不当に低くして偽のうれしさ感じてるのもイカン。

で、これ「家族の終わりに」という原作小説も読んでみた。
小説はやはり心理描写が細かく、映画にすると見落としたりしちゃうんだよね。
最初のフランクのセリフ、「君は素晴らしかったよ」って言おうとしてた。言おうとしてたけどこれまさに地雷かもしれないとか思って辞めていたり、シェップが実はいいとこのお坊ちゃんで、親への反発のために自分の人生をアウトローに寄せて行ったら実はやっぱりお坊ちゃんだからアウトロー合わなかった!えっもうお勧めの大学じゃなく工科大学行っちゃって低賃金の仕事しかなくて、工科大学でであった妻と結婚して子供もいるのに?親に頭下げたけど親も全然お金なくなっててまったく頼れない!何とか転職してニューヨーク郊外に家を買えるところまできた、という苦労が見えたりとか。
ミリーについては映画の方が良く描けてたけどね。

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